さくら横丁 「花の女王の正体」
春の宵 さくらが咲くと
花ばかり さくら横ちょう
想出す 恋の昨日
君はもうここにいないと
ああ いつも 花の女王
ほほえんだ夢のふるさと
春の宵 さくらが咲くと
花ばかり さくら横ちょう
会い見るの時はなかろう
「その後どう」「しばらくねえ」と
言ったってはじまらないと
心得て花でも見よう
春の宵 さくらが咲くと
花ばかり さくら横ちょう
文筆家加藤周一による詩『さくら横ちょう』
いかにも大人な恋の歌!という感じですが実はこの曲に出てくる「花の女王」は加藤周一周一が小学生の頃に同じ小学校に通う小学生のことだったのです!
大柄で、華かで、私にはかぎりなく美しいと思われたが 一度も言葉を交わしたことがなかった。女王のようにいつも崇拝者たちを身の廻りにあつめているその娘を、私は遠くから眺め二人きりになることができたらどんなによいだろうか、と空想していた。
と加藤周一自身が『羊の歌』で説明しています。
この素敵な詩に中田喜直、別宮貞雄がそれぞれメロディーをつけています
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日本のために作曲したリヒャルト.シュトラウス
リャルトシュトラウス
1864年6月11日 - 1949年9月8日
ドイツの後期ロマン派を代表する作曲家のひとり。交響詩とオペラの作曲で知られ、また、指揮者としても活躍した偉大な作曲家
このシュトラウスがなんと我が日本国のために作って曲があるってご存知でしたか?
その曲の名前は
『日本の皇紀二千六百年に寄せる祝典曲』Festmusik zur Feier des 2600jährigen Bestehens des Kaiserreichs Japan für großes Orchester
という曲です
タイトルからもわかる通り神武天皇即位から2600年ににあたる西暦1940年のために作られた曲で日本がフランス、イタリア、ハンガリー、イギリス、アメリカ、ドイツの6カ国に依頼しました。
大東亜戦争前年ということもあり日米関係は悪化しており断られ次の5カ国から曲が提供されました
ブリテン(イギリス、当時アメリカ在住)
ピツェッティ(イタリア)
R.シュトラウス(ドイツ)
イベール(フランス、当時イタリア在住)
ヴェレシュ(ハンガリー)
ベンジャミン.ブリテンの「シンフォニア・ダ・レクイエム」は到着が大いに遅れ、そのうえ「日本の紀元2600年を祝う場にふさわしくない」という理由で物議をかもし、写譜が間に合わないうちにイギリスが敵性国家になったので、結局ブリテンの名は消え、作品は演奏されませんでした。
なんとこの『日本の皇紀二千六百年に寄せる祝典曲』のスコアに指定されていたゴングのパートは、日本各地の寺から音程が合う鐘を借りてきて演奏されました
しかしこの曲は日本ではまだ6回ほどしか演奏されてないんです!
演奏時間は17分程度ととても短くききやすいので是非聴いてみてください!
児島高徳
ではこの児島高徳とは誰なのでしょう?
児島 高徳(こじま たかのり)
鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍したとされる武将。備前国児島郡林村出身。従五位下・備後守を賜る
彼の一番有名なエピソードといえばなんと言っても
白桜十字詩
でしょう
この曲のラストにも歌われてるセリフですね
『天莫空勾践 時非無范蠡』天勾践を空しうすること莫れ、時に范蠡の無きにしも非ず
ではこの10文字の言葉はどういう意味なのでしょうか?
「天は支那の春秋時代の越王・勾践(こうせん)に対するように、決して帝をお見捨てにはなりません。きっと范蠡(はんれい)のような忠臣が現れ、必ずや帝をお助けする事でしょう」
という意味の詩で、これは元弘の変に敗れ隠岐へ遠流となった後醍醐天皇を奪還しようと試みるも厳重な警備に断念し、近くにあった桜の木にこの10文字の漢詩を彫って後醍醐天皇を勇気づけました。
因みに、朝になってこの桜の木に彫られた漢詩を発見した兵士は何と書いてあるのか解せず、外が騒々しい為に何事か仔細を聞いた後醍醐天皇のみこの漢詩の意味が理解できたといわれています。
大統領選挙から生まれたヒットソング
2020年大統領選挙共和党のトランプvs民主党のバイデンの白熱した争いが始まりましたね!
今から136年前の大統領選挙
民主党のクリーヴランドと共和党のブレインの大統領選挙の際、この選挙で22代目大統領となるクリーヴランドがブレインを侮辱するためにアーロンコープランドに頼んで作曲させた選挙ソングがあるってご存知でしたか?
そのタイトルは『The Dodger』「ペテン師」です。
大統領候補者、教会の伝道者、恋人はペテン師だから気を付けろ!と言った内容です
Yes the candidate’s a dodger,
Yes a well-known dodger.
Yes the candidate’s a dodger,
Yes and I’m a dodger too.
He’ll meet you and treat you,
And ask you for your vote.
But look out boys,
He’s a-dodgin’ for your note.
Yes we’re all dodgin’
A-dodgin’, dodgin’, dodgin’.
Yes we’re all dodgin’
Out away through the world.
Yes the preacher he’s a dodger,
Yes a well-known dodger.
Yes the preacher he’s a dodger,
Yes and I’m a dodger too.
He’ll preach you a gospel,
And tell you of your crimes.
But look out boys,
He’s a-dodgin’ for your dimes.
Yes we’re all dodgin’ . . . etc.
Yes the lover he’s a dodger,
Yes a well-known dodger.
Yes the lover he’s a dodger,
Yes and I’m a dodger too.
He’ll hug you and kiss you,
And call you his bride,
But look out girls,
He’s a-tellin’ you a lie.
Yes we’re all dodgin’ . . . etc.
本当のキリスト教伝来
クラシック音楽とキリスト教は切っても切り離せない関係がありますよね
今回はそんなキリスト教と日本の関わりについての豆知識について話していきます
実は日本史で習う “1549年フランシスコザビエル によってキリスト教伝来”は嘘だったんです
1549年にイエズス会の宣教師ザビエルがカソリックを伝えたということは正しいのですがそれよりも遥か昔に日本にキリスト教は伝来していたんです!
なんと、736年奈良時代にペルシア人で景教(ネストリウス派)徒の宣教師・李密醫(りみつえい)が来日して聖武天皇と光明皇后に公式会見をしたということが『続日本紀』に記されているんです
ちなみにこれは公式会見ですので非公式にそれ以前に伝わっていた可能性もあります
実は日本とキリスト教は千年以上の歴史があった!って言うのは驚きですよね!
日本人はキリスト教に馴染みのない人が多いと言われますが仏教伝来と200年ほどしか変わらない宗教ですので少し身近に感じていただけたらうれしいです
原題とは全く違うタイトルのオペラ
原題と全く違う映画ってけっこうありますよね
例えば『アナと雪の女王』は『Frozen』だったり『塔の上のラプンツェル 』が原題では『Tangled』だったり
そんな感じで原題と邦題が全く違う作品がオペラにもあるんです!
それは、乾杯の歌で有名なヴェルディ 作曲のオペラ『椿姫』
このオペラの原題『La traviata』も全く違う意味だったんです!
このタイトルを和訳すると「道を踏み外した女」になります
ではなぜ『椿姫』と言うタイトルなのでしょうか?
その答えは『La traviata』の原作の小説がLa Dame aux camélias「椿の花の貴婦人」という意味のタイトルでそれを意訳したのが『椿姫』なんです!
あえて『椿姫』ではなく『道を踏み外した女性』という邦題にするのも面白いかもしれませんね笑